お知らせ・技術紹介
SUNRISE PUBLICATION co.,ltd.ミランダ黒に銀+白の2色刷り表紙【ユーザー様作成事例紹介16】
装丁デザインの技巧が光る作成事例のご紹介
〜当社で印刷された素敵な同人誌をご紹介します〜
【 素敵な同人誌 16 】天国より野蛮(タカムラ様・東雲悠希様合同誌)
今回ご紹介させていただくのは「STRAY CAT/タカムラ様」と「CLOUD PARK/東雲悠希様」発行の合同誌となります。なお、素敵な表紙のデザイン担当は「眠れない夜空/藤井咲様」です。
まず、今回の製本物でご利用いただいたのは取り寄せ用紙となる【ミランダ黒】!そこに「銀」と「白」の2色刷りをおこない、箔押し【黒】を押す!と、これを聞くだけでも装丁へのこだわりを感じますが、更に!表紙2.3部分にも白の1色刷りの裏刷りオプションもご利用いただいております!
表紙のミランダの粒子がキラキラと輝く上に印刷された銀の帯や白インクの桜が裏表紙に向かうにつれ、ボロボロと崩れていくような、お話の内容に合わせたちょっとダークなデザインにされているのですが、ご注目いただきたいのがこのボロボロと崩れていっているデザインの細かい部分ですね!
白やメタル系の不透明インクは粘度やインクの性質上、細かい部分はちょっと潰れがちな傾向がありますが、細かな抜きや擦れの再現もよく出ていて、作家様の意図するところを上手く表わせたのではないかと自負しております……!
黒い紙に銀のインクは映えますし、黒と銀の上に印刷をした白も、見る角度や光の加減によって表情が変わりとても美しいデザインとなっております。
明るいところで見ると白はふんわりとした印象ですが、ちょっと暗めの場所で本の表紙を眺めていると、黒と銀の上に白の桜が浮かび上がり、通常よりも際だって見えて、とても美しいです!ここまで計算されていたのかな?と思うと……まさに想像通りの仕上がりになったのでは無いのでしょうか?(本当にすごいです!)
そして黒い用紙の上に箔押し【黒】という、センスを感じる格好良い使い方ですね!
黒い用紙の上に黒インクや黒箔を乗せる場合や、上手く見えるかどうか不安が大きい部分ですが、質感の違う黒同士であれば黒箔が殺されることなく、より「黒箔らしさ」が際立つ気がしますね♪
画面がグッと引き締まって見える気がしますし、とても格好良い仕上がりになったのではないでしょうか?!
写真だとどうしても製本物そのものの本来の美しさが損なわれて見えてしまう気がしますが、すこしでも白や銀インク、黒箔を使用する際の参考になればと思います。
そして表紙をペラリとめくるともうひと工夫!冒頭で触れた裏刷りがございます!
デザインが表2-3全体に入っておりますが、紙の性質を潰さないデザインの為、用紙とインクの良い所を引き出し合っている事がよく分かるかと存じます!
単・多色刷りの場合、わりとお手軽に表紙2,3に1色刷りが出来たりしますので、興味のある方はぜひ問い合わせしてみてくださいね。表紙2,3にちょっと印刷を行なうだけでもとても本が格好良く見えますよ~!
タカムラ様、東雲様、藤井様、とっても素敵なこだわりの一冊、ご入稿ありがとうございました!
※箔押し加工についてはコチラ
(初出:2017年8月25日)