03-5960-0355

受付時間:9:00~17:00 (月~金)

【AMスクリーンとFMスクリーンの違い・モアレについて】

2023.11.08技術紹介

オフセットフルカラー印刷での特徴

AMスクリーンの特長

規則正しく並んだ点(網点)の大きさを変えて階調を表現する一般的な印刷方式で、出力線数が高いほど細かな表現が可能になります。
標準的なカラー印刷は175線ですが、当社ではより精細な200線で印刷を行なっています。
インクが紙にのりやすい特性があり、凹凸のある紙や透明素材等への印刷にはこちらが適しています。

FMスクリーンの特長

ランダムに配置された小さな点の密度で階調を表現し、AMスクリーンの出力線数:700線に相当する高精細印刷です。
AMスクリーンと違って網点同士の重なりがないので、色のかけ合わせよるモアレや、ロゼッタパターンと呼ばれる甲羅のような模様が見える現象が起こらず、各色のにごりが取れることによって発色が良く見えます。
画質がシャープになるのも特性の一つで、細部における再現性の向上やグラデーションの表現がなめらかになります。

FMスクリーンイメージ

オフセットモノクロ印刷での特徴

AMスクリーン

規則正しく並んだ網点(丸い点)の大きさによって濃淡を表現します。
グラデーションなどを使用していないグレーベタの再現、メリハリのある絵柄や線画の印刷をするのに適しています。

モアレ軽減FMスクリーン

AMスクリーンの網点が規則的に並んでいるのに対して、FMスクリーンは十数ミクロンの肉眼では判断できない細かな点の密度によって濃淡を表現します。
細かな文字や線、緩やかなグラデーション、低濃度・高濃度域の再現等に適しています。
また、アンチエイリアスのかかったトーンや、K100%ではないグレートーンによるモアレを軽減することが可能です。
※詳しくは下記項目をご参照ください

FMスクリーンによるモアレの軽減について

FMスクリーン印刷では細密な点の集合で階調を表現するので、アンチエイリアスが原因で発生するトーンのモアレを軽減できる場合があります。
トーンの形状が均等でかつ、間隔が空いていればアンチエイリアスがかかっているトーンであってもモアレを軽減できます。
ただし、アンチエイリアスがかかっていない状態の「元々のトーン形状」が不均等であったり、重ねて貼られたトーン等はFMスクリーンでも軽減することは出来ません。

AM/FMスクリーンアンチエイリアスの印刷

モアレとは

モアレとは、周期的な画像成分同士の干渉によって発生する意図しない模様のことです。

モアレを発生させないために

必ずK100%のトーンを使用してください。
トーンがグレーになっているとモアレが発生する原因になります。
K100%のトーンの上にブラシ等で陰影表現をすると、K100%で無くなってしまったり、網点のパターンが崩れたりしてモアレの原因につながります。
また、一度配置したトーンに拡大・縮小・回転等の加工を行ったり、グレースケールのベタに重なるようにトーンを配置した場合、アンチエイリアスがかかっていなくても、モアレの原因となりますのでご注意ください。

FMスクリーンならトーンのモアレが軽減

アンチエイリアスとは

アンチエイリアスとはデジタル画像の輪郭に出てしまう「ジャギー」というギザギザを目立たなくする為に、ギザギザの間を中間調の色合いで補間して表示を滑らかに見せる事を言います。
フルカラー印刷では再現出来る色数が多く問題はないのですが、モノクロ印刷の場合にアンチエイリアスがかかっているデータ原稿は、モニター上では滑らかに見えていても印刷時に悪影響を及ぼす可能性がございます。
文字にアンチエイリアスがかかっていると、グレー部分が網点化してしまい、字形が崩れる恐れがあります。
また、トーンにアンチエイリアスがかかっていると、トーンデータの形が崩れてしまいモアレが発生する原因になりますので、モノクロ原稿作成時にはアンチエイリアスはかけない様に、ご注意ください。

アンチエイリアス

意図しないアンチエイリアス

自身が意図しなくても作業時にアンチエイリアスがかかってしまう場合があります。
画像の解像度の変更、拡大、縮小、回転等を行うときは変更を行った部分を拡大してアンチエイリアスが発生していないか確認してください。
また、画像の保存形式を変更する際などは注意が必要です。